畳のカビは、なぜ発生するのですか?

 

もともと畳とは天然のイグサでつくられている日用品のため、一見ただの分厚い敷物にみえても、実際はイグサが呼吸をしています。つまり植物が呼吸をしているのと同じなんですね。

 

日本のような高温多湿の気候風土では、イグサのように“呼吸する建築材”が昔から適しているとされてきました。暑い空気や高い湿度を呼吸とともに屋外へ放散してくれるからです。

 

そのため多くの家屋が木造だったわけですが、最近ではコンクリート造りの建築が多数派となりました。コンクリート建築では家全体の通風性が木造よりも劣る傾向があり、室内に湿度がたまって“ジメジメした住環境”になりやすくなってしまうのです。こんな状況で畳が呼吸をすると、空気中に含まれる湿度をどんどん吸収していってしまい、畳全体が相当ジメッとしてしまいます。

 

とくに梅雨があぶないですね。こうなると、さぁタイヘン! カビにとって絶好の繁殖の機会、条件ともどもがそろうわけですから、ほんの少し、2、3日でも目を離したすきに畳一面まっ白いカビが繁殖して気が狂いそう、なんて悲惨な結果にもなりかねないんです。